「人は希望をなくしたらどうなるの?」
「希望はなくならないよ、見えなくなってしまうだけなんだ」
あらすじ
激務により心も体も疲れ果ててしまった青山隆(工藤阿須加)は、意識を失い電車にはねられそうになったところをヤマモト(福士蒼汰)と名乗る男に助けられる。幼なじみだという彼に心当たりのない隆だが、ヤマモトに出会ってから仕事は順調にいき明るさも戻ってきた。ある日隆は、ヤマモトが3年前に自殺していたことを知り……。
引用:シネマトゥデイ
青い空、青い海、子供達の笑顔
人生の選択肢はひとつではない。
この映画のラストシーンは、「世界で一番幸せな国」バヌアツ共和国のエメラルドグリーンの海と、澄みきった青空の下、地元の子供達の笑顔に囲まれ、新しい生活をスタートするシーンで終わります。
会社を辞めて、しばらく何にもとらわれない健康的な生活をすごし、最近知り合い、親友になった人物から来ないかと誘われて、バヌアツに移住することにしたのです。
もし、この友人に出会えてなかったら、海外での幸せな生活、子供達に教えて尊敬されるという仕事もあるという事を知らないまま、命を絶っていたかもしれません。(映画では疲れ果て、気を失って電車に轢かれそうになったところを友人に助けられます)
映画と違って、実際の生活の中で、こういった転機になる人との出会いは、そうないかもしれません。海外で暮らそうという発想も出てこないと思います。そういう選択肢もあるんだと知ってもらうためにも、苦しい状況にいるできる限り多くの人たちに、この映画を見ていただきたいと思います。
そうはいっても、やめられないという方は、こんなサービスもあります。
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生活環境などで、どうしても仕事をやめることができない方は、「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」という映画をお勧めします。
映画【ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない】
主人公の追い込まれた環境とは
職場環境
・残業代は出ない
・ノルマがきつく、達成できないと上司にいびられる
・謝罪は土下座で「申し訳ございませんでした」を連呼させられる。
主人公の性格
一貫して、なにごとも自分で受け止めてしまう性格。
ノルマに苦しんだ職場のエースの先輩女性が、主人公のせっかく獲得した得意先を、主人公のミスを装って奪うシーンがあるのですが、怪しいところがあるのに疑うこともせず、自分が会社をやめる時、先輩自ら自分の仕業と告白したのに、責めることもしませんでした。
ただひたすら耐える日々です。
「だれにも迷惑をかけないように、そうすると週末がきてくれる・・・」
転機
必死で助けようとしてくれる親友
主人公の親友になる人物が現れます。
彼の双子の兄は、会社生活に疲れ果て、自ら命を絶っておりました。
駅の構内で、かつての兄と同じ危機的状況である主人公を見つけて、放って置けず、昔の同級生と偽って友達関係になります。
主人公は、明るく振舞う友人のおかげで、徐々に生活に色を見出していきます。
「ひさしぶりに青空を見た」
しかし、会社でのミス(先輩の工作)での上司の激しいパワハラ、自分の自信もすっかり失った主人公は、限界をむかえてきます。
「仕事変えた方がいいんちゃうか?」
「仕事やめるのは、そんな簡単なことじゃないんだって」
「死ぬことと、仕事辞めることどっちが簡単なんや」
眠れない日々、ただただ週末を待つだけの人生、未来への希望を失った主人公は、会社の屋上から飛び降りて、命を経とうと決心します。
主人公の行動を不安視していた友人は、その場へ駆けつけることができ、
「人生は、誰のためにあると思う?お前を大切に思っている人や。残されたほうはたまらんのや」と訴え、大切に思っている家族に会いに行けといいます。
大切に思ってくれている両親
かつて主人公の父親は、リストラに会い、なかなか再就職できませんでした。
妻の実家の畑で働くことになったのですが、そんな父親をかっこ悪く思い、心ない言葉を言ってしまっていたことから、実家には帰りづらくなっていました。
実家に帰った主人公は、勇気を振り絞って言ってみます。
「もし、会社辞めるって言ったらどうする?」
「べつにいいんじゃない。会社は世界にひとつじゃないんだから、こっちに戻ってきたっていいんだし」
「人生なんて、生きてさえいれば、案外なんとでもなる」
そして、母親から衝撃の言葉を聞かされます。
「あのね、父さんの仕事もないし、貯金もなくなって、親の介護にもつかれはてて、父さんに、みんなで一緒に死にましょうって言ったの」
「でもやめた、私たちがどう思おうと、あなたの人生があると思ったら、あなたがどんな大人になるのか見たくなったの」
自分のことを心から大切に思ってくれている存在に気づいた瞬間でした。
会社をやめてみて
人生をやりなおす
主人公は、会社を辞めました。
寝るだけでゴミ屋敷のようだった家を綺麗に片付け、食事も手作りで作ってみたり、健康的な生活をスタートしていました。
突然姿を消した友人を探し、足跡を辿ると、友人は若い時に親を失っている双子で、施設で暮らしていたようでした。友人は、主人公が施設に訪ねてくることを想定しており、訪ねてきたら、バヌアツに来るように伝えて欲しいと施設の人に言付けしていました。
バヌアツに向かった主人公は、友人が伝えたかったことを理解します。
「生きていれば辛いことがある。だけど、どこかに必ず希望はある。希望がなければ探せばいい。見つからなければ作ればいい。そしてもし、その希望さえ失ってしまったら、また、最初からやりなおせばいい。そうやって進んでいくしかないんだよな」
みどころ
視野の広がり
この映画は、主人公のゴミ屋敷である小さい部屋からスタートして、ラストの楽園へとつながっていきます。本当に辛い時は、視野が狭くなり、目の前のことしか考えられなくなります。死ぬ気になればなんでもできるとも言いますが、なかなかそういう発想になれないものです。
世界は広いですし、生き方もいろいろあります。エンドロールで綺麗な風景を流しているのは、まだまだ知らない美しい世界が広がっているんだよという、想像を膨らませて欲しいイメージですね。
なぜ、バヌアツ共和国なのか
友人は若いうちに両親を失い、養護施設で育てられました。
バヌアツ共和国には、養護施設がありません。
育てられる人が育てる。「人類みな兄弟」的な考えで、「子供はみなで育てるもの」という文化のようです。
自分の価値観の合う国、仕事、友人。
ゆっくり急がず、自分で考えて選ぶことができるということを教えてくれる映画です。
視聴する方法は
U-NEXT・hulu・DMM TVで視聴できますよ。
\31日間の無料期間ありです。/