あなたは「挫折」を経験したことがありますか？
挫折とは：目的を成し遂げる前に途中でダメになること、くじけてしまうこと、やりとげようとする意欲や気力をなくしてしまうこと
この映画の主人公たちは、「挫折」により、「嫉妬」「無気力」「あきらめ」「自信喪失」など、負の感情を持っていました。
この映画は、そんな「挫折を経験した」主人公2人がおたがいに影響しあい、「挫折」より立ち直っていく物語です。
「恋は雨上がりのように」の作品情報
陸上競技に打ち込んできたが、アキレス腱のけがで夢をあきらめざるを得なくなった高校2年生の橘あきら（小松菜奈）。放心状態でファミレスに入った彼女は、店長の近藤正己（大泉洋）から優しい言葉を掛けてもらったことがきっかけで、この店でアルバイトを始めることにする。バツイチ子持ちである上に28歳も年上だと知りながらも、彼女は近藤に心惹（ひ）かれていく。日増しに大きくなる思いを抑え切れなくなったあきらは、ついに近藤に自分の気持ちを伝えるが……。
引用：シネマトゥデイ
「恋は雨上がりのように」を観るメリット。
この映画を観ることであなたは、
・「出会い」が「転機に」なる
・「挫折」を乗り越える
「好きなこと」の力
・「暖かい思いやりの心」が
「挫折」から立ち直させてくれる。
という、気づきを得ることができます。
観賞後には、この映画があなたにとって
『挫折から再生できる映画』
として、大切な映画となることでしょう。
「歳の差恋愛」だけじゃない、すばらしい「人間ドラマ」
『恋は雨上がりのように』は、
おじさんを好きになった女子高生の話なので「恋愛映画」のジャンルになるでしょう。
しかしこの映画は、ほのかな恋愛テイストがありながら、しだいにお互いが「かけがえのない存在」
となり、お互いが「忘れていたり」「自分に足りない」部分を補い合う存在になっていく「人間ドラマ」です。
「夢中なこと」に「恋」をしていて、
「挫折」という「雨が上がる」
どちらかというと、「恋」の対象が、
「人」ではなく、「挫折中の夢」
２人の運命的な出会いによって、
お互いが良い影響を与えあい、
「雨上がりの」雲ひとつない
澄みきった青空のような、
「迷いのない晴れた心」で
「あきらめていた大好きなこと」に
再挑戦していくお話です。
どのように主人公たちは挫折から立ち直っていったのか
「夢を失った17歳、夢を忘れた45歳。ふたり人生の雨宿り中」
この映画には３人の挫折者が登場します。
■橘あきら（小松菜奈）
高校２年生（17歳）陸上100mmで将来を有望視されていたが、練習中にアキレス腱を断裂してしまい、夢を絶たれてしまう。
「もう、もとには戻れないの。」
■近藤正巳（大泉洋）
ファミレス店長（45歳）本が大好きで小説家を目指していたが、現在は書けていない。バツイチで一人息子がいる。
同級生が作家として成功し、嫉妬のあまり連絡することができない。
「家族ほっぽって、作家目指して、このざまだ。」
■倉田みずき（山本舞香）
他校の陸上選手。１年前にアキレス腱断裂するが、復活しあきらを超えるような勢い。
「橘先輩と一緒に走るためだけに、必死にリハビリしたんです。」
もちろん他にも魅力的なキャラクターが多数登場しますが、「挫折」をテーマに取りあげますので、紹介を省きます。（磯村勇斗や清野菜名などかなりの豪華キャストです）
引用：ぴあ映画生活
【ネタバレありの内容です】
最終的に。「走ることをあきらめていた」あきらは「再び走りはじめ」
「書けなかった」店長は、「再び書き始めます。」
なぜ、二人が挫折から立ち直り、再び挑戦することができたのか、
３つにまとめてみました。
「出会い」が「転機に」なる
この映画のすばらしいところは、
「挫折した自分」がじつは誰かの「挫折から立ち直るきっかけ」になっていたり
「挫折した人にかけた温かい言葉」が「自分の気づき」にもなっていたり
ひとの「思いやり」「やさしさ」の連鎖が感動的に描かれているところです。
あきら → 店長に出会ったことで。
アキレス腱を断裂し、「夢中になったものがある日突然なくなった」あきら。
病院からの帰り道。大雨の中、雨宿りとしてふと立ち寄ったファミレスで店長と出会います。
落ち込んで表情が暗いあきらを見た店長は、コーヒーをサービスし、てのひらからコーヒーシュガーを出す手品をして、あきらを元気付けます。「きっとすぐ止みますよ」
店長のやさしさに触れた店長にすっかり恋をしてしまうのですが、恋を成就することはかないませんでした。
しかし、人生経験が豊富で、やさしく、思いやりのある店長に導かれ、正しい道へと戻っていくのです。
店長 → あきらに出会ったことで。
家族をほったらかしてまでなりたかった小説家の夢は叶わず。でも、書くことは諦めることができない。そんな宙ぶらりんの状態の時に、あきらと出会います。あきらからの情熱的なアプローチを受けるなかで、忘れていた「かけがえのない財産」を思い出し、情熱を取り戻していきます。
倉田みずき → あきらに出会ったことで。
アキレス腱を断裂し、大会を見学している時に、「あきらの走り」に出会う。
あまりの圧倒的な速さに感動し、将来一緒に大会で走ることを目標にかかげ、必死にリハビリに取り組む。
倉田みずき → あきらに会いに行く。
目標にしていたあきらが、部活にも参加せず、ファミレスでアルバイトしている姿を見て、挑発。
「先輩のタイム、すぐぶち抜きますから」
自分も怪我から復帰した。先輩も早くこっちの世界に戻ってこいと。
挫折したときには、どうしても活動範囲も、視野も狭くなるものです。
本当は、そんな時だから「気づきがある」この映画をぜひ観てもらいたい。
人との出会いは「やさしさ」「思いやり」「目標」「あこがれ」「リベンジ」「恩返し」などの影響を与えてくれます。それが、行動への一歩につながります。
同様に、「自分の生き様」「自分のやさしさ」が他の人に影響を与えることもあります。
もしかしたら、そんな人にもう出会っているけど、気付いていないだけかもしれません。
「挫折」を乗り越える「好きなこと」の力
■「好きなこと」の力
あきら → 店長に与えた影響
あきらは「好きなことにまっすぐ」な性格です。
「店長が大好き」
この映画では、店長になんと５回も告白します。
「あなたのことが好きです」とダイレクトに。
「店長は私のことどう思いますか？」とぐいぐい行きます。
笑顔が苦手で接客業にまるで向かないのに、店長の近くにいるためにファミレスでバイトしたり。
言葉尻をつかんで、デートにこじつけ。そのデート中にも「次はいつにしますか？」と、とにかく行動力がすごい。
「好き」ということに関して、まわりは関係なく、常に全力でぶつかっていきます。
店長は、そんなあきらの気持ちを、受けいれるわけにはいきませんでしたが、
あきらの「好きなものへの迷いない、真っ直ぐな姿勢」に徐々に影響を受けていきます。
自分にもかつて「夢中になっていたこと」があって、まだ自分の心の中に「あきらめたくない」気持ちがあることを思い出し、自分が好きなこと「小説を書くこと」を再開します。
「無理とわかっていても、まだ夢をあきらめきれないんだ。」
そして、作家として成功している同級生の言葉がさらに彼を後押しします。
「俺だって、この先の保証はない。毎日こわいよ。でも、こいつ（小説）が好きでしかたないんだ。」
店長 → あきらに与えた影響
あきらは「走ることが大好き」です。
怪我によって「走ること」を奪われてしまいましたが、店長との関係性の中から、
忘れていた「走ることが好き」という感情を取り戻していきます。
・図書館デートで店長におすすめの本を聞くと。こう答えます。
「ここは、本の海。今日ここに来たということは、どこかに橘さんを呼んでいる本があるはずなんだ。今の橘さんに必要な本だよ。」
あきらは、「陸上選手権大会の写真集」を選びます。「走ることが好き」の気持ちは失っていないのです。
・店長は、あきらに頼み事をします。「息子に走り方を教えてくれないか？」
「息子はかけっこが嫌いだったんだよ。遅いから、橘さんなら、教えてくれるかなって。走ることの気持ちよさを。」
あきらも、自分の中の「走りたい」という感情を思い出し。「走ること」を再開していくのです。
映画とは関係ないのですが、あるインタビューで。
星野源さんも「なぜ乗り越えられたか」というテーマに対し、「好きだから」と答えています。
まだ、何者でもなかった20歳の時、誰に届くでもないのに、誰かに届いているはずだと。
周りから、やめた方がいいとめちゃめちゃ言われて、辛かった時期もあったけれど、なぜ乗り切れたかを考えてみると、「好きだから」。最後に残るとか、最後に折れない最後の芯って、「好きって気持ち」しかないって思いますと。
「暖かい思いやりの心」が「挫折」から立ち直せてくれる。
あきらが好きになった店長ですが、「思いやり」「やさしさ」にあふれた人物でした。
自分も「挫折」を経験しているから、その時の気持ちはよくわかる。
あきらを雨から凌いであげて、雨があがったら、そっと送り出してあげる。
その時々の状態を見てあげていて、困っている時には手を差し伸べる。
あきらが悩んで、落ち込んでいる時に。店長は、自らの経験からアドバイスをします。
「橘さんがそう決めたのなら、いつかなつかしく思える日が来るかもしれない。けど、ただのあきらめだとしたら、立ち止まったままになってしまうんじゃないかな」
あきらも、自ら立ち止まることをやめ、再び「走りたい」という気持ちに正直になっていくのでした。
挫折した時に観て欲しい映画
挫折した経験は誰にでもあると思います。
現時点、私自身もこの映画のブログを書きながら、「うまく書けない・・」と何度も挫折してます。
そんなときは、「それが好きか？」と自分に問うてみて、
「映画が大好き」「推しの映画をおすすめするのも大好き」という結論をだして、
また、書き始めます。
あまり、深く考えず。「いつか誰かに届くだろう」と「根拠のない自信」をもって、
前に進むようにしてます。
うまくいかないときは、映画の中の「恋にまっすぐなあきら」や「書き続けることに執着する店長」を思い出すと、前に進める力をもらえますよ。
「恋は雨上がりのように」観賞後には
・「出会い」が「転機に」なる
・「挫折」を乗り越える
「好きなこと」の力
・「暖かい思いやりの心」が
「挫折」を立ち直させてくれる。
という気づきを得ることができます。
動画配信なら何回でも観れる
動画配信なら、自宅で何度でも観ることができます。
とてもよく練られて、細部まで計算されている脚本なので、観るたびに「こんなつながりが！」と新しい発見があります。私は５回も観ました。もう、オープニングの走っている映像で泣いてしまいます。
すごくおすすめの映画なので、みなさんも是非ご覧になってください。
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